プロの手を借りずに、自分で度数を調節できるメガネがあります。そんな便利なメガネがあったら欲しい!と思ったひともいるかもしれません。しかし、単なる便利さのために開発されたのではないのです。
【プロの手を借りずにメガネを作る】
このメガネが開発された理由は、医師やメガネ技術者などの手を借りずにメガネを作るため。なぜなら、開発途上国の人々はメガネのプロに接する機会がほとんどなく、もしメガネを作ることができたとしても、その代金は月収をはるかに超えているからです。
【10億人以上の人々にメガネを提供したい】
開発者である原子物理学者 silver 氏は、自らが開発したメガネを提供するプロジェクトを手がけています。目標は10億人以上。silver 氏によれば、開発途上国ではメガネを掛けているひとは5%に満たないとのこと。そのため、黒板の字が見えない生徒や仕事に困っている人々がたくさんいるというのです。
【すでに30,000個が提供】
このメガネはすでに30,000個提供されています。そのうち20,000個はアメリカ国防総省が購入し、アフリカと東ヨーロッパの人々に提供されました。なお、このプロジェクトには世界銀行とイギリス政府も出資。まずは数年内に、インドの人々に100万個のメガネを提供することを目指しています。
【秘密はシリコンオイル入りのレンズ】
自分で度数を調節できる秘密は、レンズに入っているシリコンオイル。テンプル(つる)に付けられた注入器を使って、レンズ内のシリコンオイルの量を加減することで度数を調節できるのです。メガネを掛けて、よく見える状態になるように調節して注入器を外せば、メガネは完成です。
【レトロな黒ぶち丸メガネ】
このメガネは決してカッコいいとは言えません。よく言えば、レトロな黒ぶち丸メガネといった感じ(写真)。きっと、どんなひとにもあわせやすくするためのデザインなのでしょう。silver氏はこれからもっとカッコいいものにしていきたいと語っています。
【決して完全ではない】
いくら自分で度数が調節できると言っても、このメガネは決して完全ではありません。近視にも遠視にも老眼にも対応できますが、乱視は矯正できません。私たちが掛けているメガネと比べれば、質が劣るのは否めないところです。もちろん、病気を持っているひとが医師にかからなくてもいいわけでもありません。
【メガネ業界からは反発も】
silver 氏によれば、このプロジェクトに対してメガネ業界からは反発もあるとのこと。19ドルという価格にも、視力をきちんと矯正しきれないことにも、文句を言いたいひとがいることは想像できます。また、反発の声はメガネユーザーからも聞こえてきそうです。
【不完全だが問題ない】
しかし、このメガネが完全でないことはあまり問題ではありません。完璧なメガネではないにせよ、メガネを手に入れることで教育や仕事の機会を生かして、生活の質を向上できる人々がたくさんいるからです。silver氏は価格を数ドルにまで下げたいとしているので、今後さらなる普及が期待できます。
【今回のニュースソース】
- From a Visionary English Physicist, Self-Adjusting Lenses for the Poor - washingtonpost.com
- 自分で度数を調節できる安価なメガネ:開発は英国の物理学者 | WIRED VISION
- $20 Self Adjustable Pump-Action Glasses | Gadget Lab from Wired.com
- 自分で度数を調節できるメガネ - スラッシュドット・ジャパン
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by さくらヒロシ
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